blog

2018/02/17 21:30

 みなさま、こんにちは。


 不意打ち更新のブログに足を運んでいただき、ありがとうございます。

 毎回、勝手に押し付けがましく、自分の愛用道具を紹介しては逃げていく【tools】シリーズの第2弾です。

 前回ピンワークのためのヤットコについて紹介したきりで、完全放置になっていましたが生きてます。元気です。

 

 今回は私の生命線ともいえる、ビーズステッチに必要な工具をご紹介いたします。

 ビーズステッチとはなんぞやかと簡単に説明すると、ビーズを針と糸で編む技法です。

 「母さんが〜夜なべをして〜」の、あのイメージです。

 

 つまりビーズステッチに必要な工具とは、ズバリ「針」と「糸」。愛用のステッチ専用の針と糸をご紹介いたしますので、ビーズステッチに興味のある方の参考に少しでもなれば、幸いです。


 「針と糸」といえば裁縫用のものが一般的ですが、ビーズステッチの場合はそれ専用のものが各メーカーから出されています。

 このブログはあくまで自分の使用している道具を紹介するという趣旨なので、各メーカーの比較検討などはしていません。

 気になる方は是非使い比べてみてください。そしてその結果を教えてください。横着です。ごめんなさい。へいこら。

 

 まずステッチ針ですが、私の使用している針は世界に誇るニッポンのビーズメーカーTOHOの「Miss Pyramis」(ミス・ピラミス)。

 ビーズステッチのディプロマを取得するときからこの針を使っていて、最初に手に馴染んだから使い続けているというのがいちばんの理由です。

 

 太さは10号と12号の2種類。数字の大きい12号の方が細くて、私は基本的にこの12号しか使っていません。

 チェコビーズなど比較的大きなビーズを扱うだけなら10号でいいのですが、種のような小さな「シードビーズ」を素材として用いる場合は12号の方がスムースに作業できるため、細~い針でチクチクやっておりまする。


 また、このステッチ針の大きな特徴は、とても柔らかいということ。しなります。柳のようにしなります。芯の強い子です。

 

 ビーズステッチは既に編んだパーツや糸目を拾って編み進むため、針が柔らかくないと編地が拾えず作業ができません。

 そのため針は柔らかく、初心者の方は最初「違和感がある」と感じるかもしれませんが、作品ひとつ完成させる頃には慣れるでしょう。 

 熟練の作家ともなると自分の編みやすい針のポジションが分かるので、初めから針を曲げて作る方もいるそうです。ツワモノですな。

 

 ちなみに「JOHN JAMES」という針もあるのですが、さっき号数見たら13号と15号まである!!!(白目)

 ハヅキルーペ買わなきゃだよ、舘ひろし。


 さて、針の次は糸です。

 これもディプロマ取得のときから使っているので、慣れ親しんでいるものですが、途中他の商品もいくつか使ってからの「やっぱりコレだ」という糸です。

 

 TOHOの「One・G」。針も糸もTOHOさんで揃っちゃいました。

 糸の表面に微かに施されている粘着性のコーティングが、ビーズなどのパーツをしっかりキャッチして、かつ、糸先がほつれにくく、とても扱いやすいナイロン糸です。

 他のステッチ糸は、この粘着性のコーティングが弱かったり無かったりするので、糸が段々毛羽立ってきてしまうことがあります。

 細かい作業をしているとやっぱりOne・Gだなと再認識します。

 

 カラーも豊富で、最初は写真の12色だったのですが、その後さらにニュアンスカラー12色が追加され現在は24色。

 わざと作品に使用するビーズとはまったく違う色味の糸を使って、ビーズから透けて見える糸の色込みでデザインしたり、透明なテグス編みにはない色遊びも楽しめます。ビーズの中を通ってほんのり表現される糸の色が、けっこう作品のイメージを左右しちゃったりするんですね。

 

 ステッチ用の糸は、伸縮性があるのが特徴です。ビーズを編んだ時に糸に伸縮性がないと、編地のビーズがグダっとゆるんで形が崩れてしまうからです。作品によっては、編地が引き締まっていない方がキレイなアクセサリーもあるのですが、基本的には糸に伸縮性があると編地がほどよく引き締まり、形が整います。

 販売時に糸巻に巻かれているステッチ糸は巻グセが付いた状態ですので、使用前に必ず糸を引っ張って真っ直ぐに伸ばしてから使います。


 このように、ビーズステッチは「細い針」と「粘着コーティングされた伸縮性のある糸」で作業しますが、ワークショップにご参加いただく皆さまにとっての最大の難関は、糸通しであることが多いです。

 細い針の小さな針孔に、コーティングをしていても毛羽立ちやすい糸先を通すのは、なかなか至難の業。

 

 裁縫用の糸通しを試したことがありますが、そもそも糸通し自体が通りませんでした。

 なので「キィィィッ」とか「ウグオガァァ」とか声にならない声を上げながらでも、そこは自力で糸を通してください。それでもダメならやっぱりハヅキルーペだよ、舘ひろし。

 (※ワークショップでは糸通しをお手伝いしていますので、安心してご参加ください。)

 

 そこで、糸の毛羽立ちを抑える裏ワザとして、「ワックス」を使用します。

 前述したように糸の表面ははじめから薄くコーティングされていますが、糸先はそれでも毛羽立ちます。

 小さな針孔に通すため、この糸先にワックスを薄く塗布し、毛羽立った糸をまとめます。ワックスを塗ると糸も少し硬くなるので、だいぶ針に糸を通しやすくなるんですね。うんうん。

 で、その「ワックス」ですが、身近にあるもので代用できます。ステッチ糸専用のものもあるのですが、わざわざそれを買うのは・・・という方も多いと思いますので、そんなときは「ヘアワックス」で大丈夫。整髪料のアレです。

 指先にチョチョッとつけて、糸先をまとめてやりましょう。


 アメリカではビーズの技法として最もポピュラーな「ビーズステッチ」。華奢な針1本で、テグス編みでは表現できない緻密で複雑なモチーフ形成と、じっくり時間をかけて編むからこその丈夫な作品作りを可能にする魅力的な技法です。

 

 このブログをご覧になって、「針と糸を使ってみたい」という初心者の方は、是非ワークショップで体験してみてください。

 自由にパーツを選んでお作りいただる「ラップブレスレット」なら、針と糸の使い方にゆっくり慣れていただけます。面倒な糸替えはお手伝いいたしますので、心配いりません。

 お気軽にご参加ください。


 ※ワークショップについては下記リンクからどうぞ。

 https://www.tinytany.net/work-shop/

 

 しなっても折れることのない針と、弾力のある糸。作品作りをしながら、工具の質の高さも感じていただけたらと思います。

 

 ということで、結局今回も「日本の道具ってすごいでしょ」に行きついてしまいましたが、そういうことです。

 本日も私の作業はメイドインジャパンに支えられているのでした。

 

 ご清聴、ありがとうございます。



 コスチュームジュエリーと骨格スタイル分析のサロン tinytany

 https://www.tinytany.net/